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《 Vol.1 》~音の性質~ / 振動・共鳴するってどういうこと?

みなさんこんにちは!(*^_^*)

楽器の演奏、仲間とのアンサンブル、コーラス・・楽しいですよね。♪
 音楽の演奏は上達するほどに楽しみも増してきますが、同時に悩みも多くなりませんか?
  例えば、
   ・音程やアインザッツ(タイミング)が合わない・・。
   ・和音が上手くハモらない・・。
   ・テンポやフレージング、指使いやボーイングが楽曲の解釈とあっている確信が持てない・・。
   ・上手くいったときの演奏が再現できない・・。
 など高度な気づきや悩みが増えるるのは、よりクオリティーの高い演奏を求めている証拠なんです。


このサイトでは、みなさんにいつでも確信をもった演奏・合奏を楽しんで頂けるようにお手伝いします。(*^^)v

美しい演奏をするためには『そこ』に戻りさえすれば見えてくるという状況に応じた『響きの工夫』があります。
『響きの工夫』とはなんでしょう・・・?  さぁ、一緒にひとつづつ響きの扉をひらいてゆきましょう♪

『アンダンテモデラート』Vol.1《~音の性質~ / 振動・共鳴するってどういうこと?》は、以下についての内容です。

  • 音の性質とは?=振動について
  • 振動の特性は?=共鳴について
  • コラム=共鳴のお話し
もくじ

・はじめに・・・

各タイトルは何やら音楽以前の「音」についてのやや硬い表題となってしまいましたが、決して難しい内容ではありません

表題と本文は、
実際に筆者が音楽学校の教壇で、初回の授業で学生さんたちにお話ししてきた
言ってみれば『序章』をそのまま再現しています。

音とはどういうものかについての確認」とその特性・共鳴について「興味を持ってもらう」ためのお話しです。

楽器を鳴らす、とか響きをコントロールするために共鳴とは何?という理解がどうしてもまず最初に必要ですからね。

何しろ筆者自身が理数系は苦手?な音楽家程度での理解ですから、専門の方が読んだらまるっきり素人丸出しです。
あくまでも音楽家の立場で音楽を理解するための最低限の常識?・・というご理解でお読みください。苦笑。

それでは始めましょう。

・音の性質とは?=振動について

・まず初めに和太鼓の皮面を想像してみてください。

その皮の表面をバチで叩くとします。
この時の太鼓の皮面を横から超スローモーションで見ると、皮は叩かれてヘコみ反動で反対側に膨らんでから元に戻ります。

これを1サイクルといい、1秒間にこの運動を繰り返す(振動する)単位を1Hz(1ヘルツ)といいます。

太鼓を叩いた時にこの往復運動が起こり、大きな太鼓の面ほど振動は大きくゆっくり(ヘルツ数が低い=ピッチが低い)で、小さな面になるほど振動は細かく速い速度(ヘルツ数が高い=ピッチが高い)ということになり、振動が徐々に収まるまで空気を震わせる振動の持続時間が『余韻』というわけです。

・では、今度は目の前に人差し指を一本立ててみてください。

それを左右に(手首を軸に)1往復・・元の位置に戻って、はい、これも1サイクルですね。
1秒間に何回往復できますか?
指の運動をどんどん早くしていってください。

目に見えていた指がブレて、だんだんと見えなくなってゆきますよね。
往復運動のスピードを(人が動かせる限界を超えて)さらに速くしてゆくと、ついには指は視界から消えます・・。

指はどこへ行ったのでしょうか?
視界から消えた指は無くなってしまったのでしょうか?

・この世は振動でできている

いいえ、振動としてちゃんとあります。
ある一定の速さを超えると、振動は空気を震わせて『音』になるのです。

ちなみに「倍の振動数」のことを『オクターブ』といいます

振動数=Hz(ヘルツ)は、数値が少ないほど低い「音」、多くなると高い「音」になるということです。
『視覚』から『聴覚』に変わるという振動の面白さですね。

振動を音にする「音叉」です。
振動と共鳴して鳴る音が

良く分かりますよね。 (*^-^*)

*****

ところでオーケストラがチューニングをする際に、オーボエが最初に鳴らす基準音のA(ラ)は、平均で440~442Hz(ヘルツ)辺りでしょうか。

これはつまり1秒間に440回の振動回数ということですね。
そして、そのオクターブ(倍という意味)下の”La”の振動数は半分の220Hz、オクターブ上の”La”は880Hzということになります。

***

このように、人間が振動を音として認識できる「可聴範囲」は、ほぼ8オクターブほどと言われています。
(ピアノの鍵盤が7オクターブ+3度ですから、可聴範囲とほぼ一緒ですね。)
ちなみに犬は「犬笛」というものがあるように、人の耳には聞こえないような高い音が聞こえているようですね。
コウモリも・・。

***

では、8オクターブ・・つまり人間の可聴範囲を超えてさらに大きくなった振動は、聴覚からも消えて今度はどこへ行くのでしょうか?

***

世の中には人の目には見えない・耳にも聞こえない、けれども確実に存在しているものがいろいろとあります。

まずは身近なところでTVやラジオ、携帯電話の電波。
さらに周波数を上げてゆくと、振動は光となって現れるんだそうです。

虹が何色にも見えるのは周波数が違うからだそうですね

そしてさらに高周波になると、光線=例えばレントゲン(X線)にもなる。
皮膚と肉は通るけれど骨は通さない=骨だけ映る・・に合わせた周波数。
その上になると紫外線・宇宙線・・・。

こうして振動0(=固体)から宇宙線までのあらゆる存在するものが、もともとは同じ振動の変化・・・。面白いですね。!(^^)!

この世界は振動でできている・・・?!

振動の特性=共鳴について

さて振動には様々な特性がありますが、音楽にとても関係の深い特性の一つとして、ある周波数同士が共鳴=響きあい溶け合ったりするというのがあります。
一方ではぶつかり合い=濁る、唸りを生じたりと、それらが混在しています。
(人と人の関係も・・・!?)笑

ここでは音の響きに限定しますが、あるピッチを基準にして、その上方で響き、共鳴しあう音のグループのことを

『倍音』=OverTone(オーバートーン)といいます。

楽音としての響きの正体・・・とは、まさにこれが核心です!!

音楽上の『響き』というと、単に「響く」という残響を表すとともに、どこまで音が飛ぶかという音の強さや透明性、他に音の艶=ヴィブラートまでを含めての表現として使われることも多いですよね。

『心地よい響き』とは、楽器のツボにはまった音程と音色、音に艶を与えるヴィブラートなどなど様々な要素を含んだ表現ですが、その大前提となっているのが『倍音』なんですね。

これを計算に入れるのを忘れると、「共鳴」という味方を手に入れられなくなります。

単独での演奏上はもちろんですが、アンサンブルやほかの楽器とのハモリの大きな要因としてこの
『倍音』が響き=響かせるための知恵の正体となります。

この辺りは和音の構造やスケール、音程などに大きく関わってきますし、美しい演奏のネックになる部分ですので、次回のブログでより詳しく説明したいと思います。

どうぞご期待ください。(*^-^*)

*****

・コラム=共鳴こぼれ話し

ここからは『コラム』と称して、毎回のブログ内容に関係のある「雑談」「与太話し」をお伝えしてゆきます。
今回は、タイトルになぞらえて「共鳴」のお話しです。

*****

だい分前になりますが、NHKのとある番組で「ストラディバリウス」という弦楽器(この場合はヴァイオリンでした)の

・数百年前の名器の音色を現代の職人の手でどこまで再現できるか・・・。
(正確なタイトルは忘れました・・汗)

という企画がありました。

まずは「名器」の音色を解析するために、何と人間用のCTスキャンの機械を通して、名器の構造を材料の木の厚み、角度、反り具合とすべてを写して現代の材料で再現する・・ということを試みていました。
寸分たがわずに同じサイズで製作した現代の楽器と本物の名器を比べてみると、見た目は全く同じでも音色は・・・。

その試みでは結局「名器」の音色には及びませんでした。

そこでの結論としては材料となる木の材質・・こそが独特の美しい音色のネックなのではないかというものだったのだと思います。

番組のラスト部分は数百年前の北イタリアの深い森の中の樹木から作られた、本物のストラディバリウスを故郷の森で演奏して遥か昔に思いをはせる・・といった演出で、名器の原材の故郷である森の中で楽器を演奏するシーンで終わるのかと思いきや・・・。

名器と同じくらいの樹齢で現代に残って生えている木々が、その音に共鳴して振動している!!

のだそうです。

これには驚きを通り越して感動が止まりませんでした。(#^.^#)

今回のまとめ

今回、振動・共鳴という音の特性をみなさんにお話しするにあたって、もしかしたらこのお話しが一番お伝えしたかったのではないかと思えています。

この世に存在するあらゆるもの、固体から音、光と姿を変えて我々人間の五感を貫いて共鳴させてくれる振動・波動。

音楽のすばらしさ、美しさまさにここにあるんですね!

次回もどうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

作曲家・指揮者・ピアニスト

これまで40年余り、音校講師としてのLessonや講義の他、オーケストラ・ブラス・ミュージカルなど、多くの演奏現場や編曲の仕事での経験を元に、音楽演奏の貴重なヒントになる内容をお伝えしてゆきます。

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